イエペス&アルヘンタ&スペイン国立管によるロドリーゴの≪アランフェス協奏曲≫を聴いて

イエペス&アルヘンタ&スペイン国立管によるロドリーゴの≪アランフェス協奏曲≫(1950年代中頃の録音)を聴いてみました。

スペインのギタリストのイエペス(1927-1997)は、生涯にアランフェス協奏曲を4回セッション録音していますが、当盤は2回目の録音となります。イエペスが30歳前後に録音したもの。

さて、ここでの演奏はと言いますと、毅然としていて、キリッとした表情をしている音楽が奏で上げられています。頗る端正で、かつ、気品に溢れてもいる。
ギターも指揮も、誠に丹念にして、精妙な演奏が繰り広げられています。何か変わったことをしているふうではないのですが、音楽が雄弁に語りかけてくる、そんな演奏になっていると言えましょう。更に言えば、カラッと晴れ渡っているようでいて、なんとも瀟洒でもある。明瞭な音楽づくりでありながらも、詩情豊かでもある。有名な第2楽章などでは、湿っぽさが微塵も感じられないものの、哀愁に満ちた音楽が鳴り響いている。
そのようなイエペスの演奏ぶりに対して、アルヘンタによる指揮もまた、キリっとしていて、クリアな音楽づくりが為されていて、イエペスをしっかりとサポートしてくれている。独奏との融和性が、とても高いとも言えましょう。

そんなこんなによって、なんとも格調高い演奏が展開されている。こんなにも気品に満ちた≪アランフェス≫を、私は他に知りません。そのうえで、聴く者を暖かく包み込むような風情を備えてもいる。
いやはや、実に素晴らしい演奏であります。