バルビローリ&ニュー・フィルハーモニア管によるシェーンベルクの≪ペレアスとメリザンド≫を聴いて
バルビローリ&ニュー・フィルハーモニア管によるシェーンベルクの≪ペレアスとメリザンド≫(1967年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
この曲には、作品番号5が付けられています。その番号は、≪浄夜≫に次ぐもの。
シェーンベルクが29歳であった1903年に書き上げられた、無調音楽を手掛ける以前に生み出された作品であり、後期ロマン派的な性格を有していて、濃厚なロマンティシズムが滲み出している音楽となっております。
さて、ここでのバルビローリによる演奏は、そのような性格を最大限に開示してくれているものだと言えましょう。音楽全体が、至る所でうねりにうねっている。
そのうえで、精妙であり、かつ、バルビローリならではの激情的な演奏が展開されています。そう、ドラマティックにしてエネルギッシュで、起伏の大きな音楽が示されている。
更に言えば、この作品に相応しい「凛々しい妖艶さ」のようなものが感じられもする。色彩鮮やかでもある。そして、奏で上げられてゆく音楽は、濃密であり、陶酔感の高いものとなっている。
それでいて、情に溺れるようなことはない。毅然とした態度、といったものが感じられます。そのような、毅然とした姿勢と、熱狂とのバランスが、実に見事であると言えましょう。
この作品の魅力をシッカリと味わいながら、懐の深い音楽世界に触れることのできる演奏。そんなふうに言えそうな、なんとも素敵な演奏であります。