コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるブルックナーの交響曲第7番を聴いて

コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(LGO)によるブルックナーの交響曲第7番(1958年録音)を聴いてみました。

この時期のLGOに対するイメージ通りと言いましょうか、古色蒼然とした響きを伴った演奏が繰り広げられています。
それでいて、武骨な演奏になっている訳ではありません。決して華美な演奏になっている訳でもありませんが、少なからず流麗さが感じられる。更に言えば、まろやかさのようなものが備わってもいる。
概して、やや遅めのテンポが採られていて(特に、前半の2つの楽章のテンポが遅め)、一歩一歩踏みしめるかのように音楽は進められています。その分だけ、足腰のシッカリとした演奏となっている。しかしながら、音楽が堅苦しくなるようなことは一切ありません。キッチリカッチリとした演奏ぶりで、堅固でありつつも、滑らかに奏で上げられています。歌心が感じられもする。そのうえで、逞しい生命力を宿しながら、力感たっぷりな音楽が鳴り響いている。ブルックナーならではの壮麗さにも不足はない。
そのような演奏ぶりによって、壮宏な音楽世界が広がってゆく。
しかも、優しさや暖かみを備えている。第2楽章の第2主題や、第3楽章のトリオ部などからは、憧れに似た表情が見えてもくる。

コクの深さが感じられるブルックナー演奏。そんなふうにも言えるのではないでしょうか。
このコンビの美質がクッキリと刻まれている、聴き応えタップリな、そして、素敵な演奏となっています。

なお、ハース版が採用されていて、第2楽章ではシンバルとトライアングルは打ち鳴らされていません。それも、この演奏には相応しいように思えます。
(この交響曲のノヴァーク版は、当盤が録音される4年前の1954年に出版されているようです。)