ミュンシュ&ボストン響によるダンディの≪フランスの山人の歌による交響曲≫を聴いて
ミュンシュ&ボストン響によるダンディの≪フランスの山人の歌による交響曲≫(1958年録音)を聴いてみました。
ピアノ独奏は、アンリオ=シュヴァイツァー。ミュンシュお気に入りのピアニストであり、ちょうどこの録音の頃、偉大な医学者であるとともにバッハのオルガン作品の演奏でも有名なアルベルト・シュヴァイツァーの甥と結婚をしています。
さて、ここでの演奏はと言えば、実に生き生きとしたものとなっています。そのうえで、爽やかで晴れやか。なんとも明朗な演奏が繰り広げられている。
この、親しみやすい旋律で彩られている作品を、煌びやかに、そして、豪快かつ溌剌と奏で上げてくれている。パンチが効いていて、目鼻立ちがクッキリとしてもいる。筆致は極めて逞しく、ダイナミックに音楽を掻き鳴らしつつも、全く暑苦しくない。最終楽章などは、音楽が嬉々として弾け飛んでいる。
アンリオ=シュヴァイツァーによるピアノは、粒立ちが鮮やかで、こちらもまた、スッキリと音楽を奏で上げている。
そんなこんなのため、聴いていてウキウキワクワクしてきます。そして、スカッとした気分になれる。
この作品を堪能することのできる、そして、ミュンシュによる演奏の魅力をタップリと味わうことのできる、素晴らしい演奏であります。