ホグウッド&エンシェント室内管によるヘンデルの≪水上の音楽≫を聴いて

ホグウッド&エンシェント室内管によるヘンデルの≪水上の音楽≫(1978年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

なんとも清々しい演奏が繰り広げられています。埃っぽさのようなものが、微塵も感じられない。それはもう、澄み切った音楽が鳴り響いている。清涼感を伴った音楽となっている。
しかも、とても溌溂としている。と言いましても、過剰にはしゃぎ回っているようなところは感じられずに、端正で格調の高い躍動感、と言ったようなものを備えた演奏となっています。清冽にして、愉悦感に満ちた演奏となっている。晴れ晴れとしてもいる。
キリッと引き締まっていて、凛々しくもある。とても鋭敏な演奏となっている。
更には、古楽器の響きがまた、清新そのもの。透明感に溢れていて、不純物が一切含まれていないような、清潔感に溢れた音楽となっている。

≪水上の音楽≫の音楽世界を、誇張することなく率直に描き上げた演奏。無垢な音楽でもある。そのように言えるのではないでしょうか。それ故に、この作品の魅力がストレートに伝わってくる。
そのような演奏を実現できたのも、ホグウッドの音楽への誠実さと、音楽性の豊かさに依るのでありましょう。
なんとも素敵な≪水上の音楽≫であります。