グールド&バーンスタイン&コロンビア響によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を聴いて

グールド&バーンスタイン&コロンビア響によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番(1959年録音)を聴いてみました。
なんとも素敵な演奏なのでありましょう。特に、グールドのピアノが!!
改めて感じたこと、それは、グールドが奏でるピアノの音の粒立ちが、実にクッキリしているということ。しかも、水晶のような、少しひんやりとした肌触りと無垢の美しさを湛えている。グールドは、ポキポキとした弾き方を示すことが多いように思われるのですが、ここでは、そのようなスタイルは影を潜め、潤いのある弾き方をしている。
そのような音によって奏でられてゆく第3番協奏曲の、なんと美しいこと。しかも、恣意的な「崩し」を一切していない。まさに、真っ向勝負でベートーヴェンに挑んでいる、といったところ。であるが故、造形的にも実に美しい。
(もっとも、グールドの場合には、崩しながらの演奏であっても、造形的に破綻をきたしているとは、私は思わないのですが。)
そのうえで、短調による作品だからといって、過度に深刻になるようなことはない。それよりももっと、可憐さの感じられる音楽となっている。
そのような中に、時に瞑想的な表情が加わってくる。とりわけ、緩徐楽章において、その要素が強く感じられたものでした。また、第1楽章のカデンツァでも、とても瞑想的な音楽が鳴り響いていた。
そのようなグールドに対して、バーンスタインは、この作品に相応しい気宇の大きさや逞しさをシッカリと表してくれていて、それでいて、グールドと同様に可憐で滋味深い音楽を奏でていて、こちらもまた実に素晴らしい。
グールドならではの冴え冴えとした音楽づくりが為されていて、なおかつ、スタンダードな味わいも秘めている、素敵な演奏。そんなふうに言いたくなる演奏であります。






