プラッソン&トゥールーズ・カピトール管によるミヨーの交響曲第1,2番と≪プロヴァンス組曲≫を聴いて

プラッソン&トゥールーズ・カピトール管によるミヨーの交響曲第1,2番と≪プロヴァンス組曲≫の3曲(1991年録音)を聴いてみました。

「フランス六人組」の1人であるミヨー(1892-1974)は、生涯に12作の交響曲を書き上げていますが、その第1番は1939年に、第2番は1944年に完成されています。
その曲調はと言いますと、はっきりとした旋律を持っていて、明るくて色彩的なもの。茶目っ気があって、オシャレな感覚に満ちてもいます。リズミカルで、弾けるような朗らかさを持っていつつも、ときにシニカルな表情を見せたり、ときにワイルドになったり、といったこともある。
ここでのプラッソンによる演奏は、そのような曲想を、明瞭に描き出してくれていると言えましょう。聴いていて、ウキウキとしてくる音楽が奏で上げられています。そのうえで、ウィットが感じられもする。しかも、適度に煌びやかであり、逞しい生命力を宿したものとなっている。
≪プロヴァンス組曲≫は1936年に完成されており、時期的には交響曲第1番の少し前の作品ということになります。≪屋根の上の牡牛≫や≪世界の創造≫、≪フランス組曲≫などとともに、ミヨーによる作品の中でも、知名度や演奏頻度は高いほうだと言えましょう。
その音楽世界は、当盤に収められている2つの交響曲以上に屈託のないものだと言いたい。賑々しくて、遊び心が感じられ、開放的であり、明るい陽光が差してくるような音楽となっています。最終曲なのでは、ちょっぴりエキゾティックな雰囲気を漂わせてくれる。
そのような作品に対するプラッソンの演奏がまた、実に明朗なものとなっています。伸びやかでもある。これまた、聴いていて心弾む演奏となっている。

ミヨーの魅力にたっぷりと触れることのできる、素敵な音盤であります。