ネゼ=セガン&ヨーロッパ室内管によるシューマンの≪春≫を聴いて

ネゼ=セガン&ヨーロッパ室内管によるシューマンの交響曲全集から≪春≫(2012年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

とても颯爽とした演奏が繰り広げられています。速めのテンポを基調としながら、キビキビと音楽が進められている。贅肉のない、スリムな演奏となっていて、頗る清々しくもある。日本語でいうところのスマートな体形をした、スッキリとした佇まいを示しているシューマン演奏。それは、室内オケを起用していることに依るところも大きいのでしょう。
そのようなこともあって、整然とした音楽世界が広がっている。見通しが良くもある。そして、「熱さ」や「狂気」のあまり感じられないシューマンとなっている。
と言いましても、淡白だという訳ではありません。決して濃い味付けが為されている演奏ではないのですが、清浄感が漂う中に、抒情的な味わいや、溌剌とした活気や、明快な律動や、を感じさてくれる、中身の濃い演奏が展開されている。そのような演奏ぶりがまた、≪春≫という副題を持っているこの作品には、とても似つかわしい。そして、緻密で明晰でもある。

それらの特徴は、いかにも「今風」だと言えましょう。大上段に構えずに、要点を押さえながら、シャープな感性でクリアな音楽を奏でていく、といったスタイル。
もう少し熱くなっても良いのではないだろうか、という思いを抱きつつも、なかなかに魅力的な演奏となっています。