ベルグルンド&ヘルシンキ・フィルによるシベリウスの交響曲第3番を聴いて

ベルグルンド&ヘルシンキ・フィルによるシベリウスの交響曲第3番(1987年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
ベルグルンドは、3つのシベリウス交響曲全集を制作しています。まずは1970年代にボーンマス響と制作し、次いで完成させたのが1980年代にヘルシンキ・フィルを指揮したもの。その後、1990年代にヨーロッパ室内管と制作しています。
当盤は、その2回目の全集の中の1枚。
さて、ここでの演奏はと言いますと、逞しくて雄弁でありつつ、厚ぼったくなり過ぎずにスッキリとしたものとなっています。明快な演奏が展開されている。そして、必要十分に熱い。生気に溢れてもいる。その辺りのバランスが、なんとも素晴らしい。
しかも、流れが頗る自然。確信に満ちた演奏ぶりとなってもいます。そのうえ、しっかりとした起伏が付いている。ドラマティックと言うには少し違うようにも思えるのですが、物語性のようなものがクッキリと描き出されているように感じられる。
そして、感興の豊かな演奏となっている。適度にふくよかで、適度に力感があり、適度に抒情的であります。
更には、明朗でもある。とりわけ、冒頭楽章では、明朗さが顕著に表されています。屈託がなくて、伸びやかな音楽が奏で上げられている。伸びやかさについては、第2楽章以降においてもシッカリと感じられる。
そんなこんなの、多彩な表情を湛えている辺りのバランスもまた、絶妙であります。それは、この作品が備えている多彩な性格を描き上げることに繋がっているとも言えるのではないでしょうか。
3つ目の全集となったヨーロッパ室内管とのシベリウス演奏では、透明感を備えていて克明がありつつも、それより前の2つの全集よりも一層逞しくて雄渾で、気宇の大きさや、音楽する熱狂が示されていて、個人的にはそちらに最も惹かれます。
とは言うものの、このヘルシンキ・フィル盤では、率直さが前面に出ていて、こちらもまた頗る魅力的な演奏になっていると言いたい。





