デュトワ&モントリオール響によるチャイコフスキーの交響曲第4番を聴いて

デュトワ&モントリオール響によるチャイコフスキーの交響曲第4番(1988年録音)を聴いてみました。

ロシア物の土臭さとは無縁の、洗練味を帯びた、エレガントな演奏となっています。
それでいて、充分にドラマティックで、エネルギッシュな演奏が繰り広げられている。そう、チャイコフスキーならではの力感に不足はない。そして、煌びやかであり、華麗でもある。
音楽が淀みなく流れていき、かつ、スッキリと纏められていつつも、活力が漲っていて、しかも、音楽が至る所でうねってもいる。
これらの特徴はすなわち、デュトワの多くの演奏に共通したものだと言えましょう。それが、チャイコフスキーの交響曲でも例外とならずに、色濃く現れている。そして、上に書き並べた性格が、作品の性格と矛盾することなく、説得力と魅力とを併せ持った演奏として、高らかに鳴り響いている。
しかも、エネルギッシュで力感豊かでありつつも、力任せなところが全くない。作品が無理なく掻き鳴らされている。であるからこそ、エレガントな雰囲気が立ち込めてきて、格調の高いチャイコフスキー演奏になっているのでありましょう。そして、豊麗な音楽世界が広がることとなっているのであります。

如何にもデュトワらしい、生気に富んでいて、かつ、馥郁とした香りの立ち込めてくるチャイコフスキー演奏。そんな独自の魅力を備えている、なんとも素敵なチャイコフスキー演奏であります。