ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツによるバッハの≪マニフィカート≫を聴いて

ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツによるバッハの≪マニフィカート≫BWV243(1983年録音)を聴いてみました。

溌溂としていて、かつ、華やかな演奏が繰り広げられています。
とは言いましても、過度にどぎつい色調をしている訳ではありません。むしろ、清潔感を伴っている。そう、なんとも清新で、爽快な音楽が奏で上げられている。しかも、真摯な態度が貫かれていると言いたい。そして、屈託がなくて、明快で、伸びやかな演奏となっている。輝かしくて、愉悦感に満ちてもいる。
更には、古楽器系の演奏者にありがちな、ヒステリックでエキセントリックな演奏スタイルが採られていないところが、なんとも嬉しい限り。音楽を締め上げるような態度も、一切感じられません。贅肉を削ぎ落とした演奏ぶりになってはいますが、音楽に膨らみやまろやかさがあり、ふくよかさのようなものも備わっている。暖かみや、優しさが感じられる。
なるほど、堅固な演奏となっていますが、堅苦しさが全く無い。もっと言えば、音楽する歓びに溢れている。理知的でありながらも、隅々にまで血の通った演奏になっているとも言えよう。そして、とても感興豊かでもある。

以上述べてきたことは、ガーディナーによる演奏の多くで認められることだと言えましょうが、そのような演奏ぶりが、この作品が持つ華やいだ雰囲気を存分に引き立ててくれています。更には、音楽に接する歓びを心の底から味わうことができる音楽が鳴り響くこととなっている。
なんとも素敵な≪マニフィカート≫であります。