フランソワによるドビュッシーの≪子供の領分≫と≪ベルガマスク組曲≫を聴いて

フランソワによるドビュッシー集から、≪子供の領分≫と≪ベルガマスク組曲≫(1968,63年録音)を聴いてみました。
なんとも瀟洒な演奏が繰り広げられています。玄妙な演奏となっている。しかも、キラキラとした輝きや、鮮やかさが感じられもする。
フランソワは、一筋縄ではいかないピアニストだと言えましょう。茶目っ気があるようでいて、真摯でもある。澄んだ音色をしていつつ、輝かしくて。更には、ある種の豪壮さが示されたりもする。と言いつつも、根っこにあるのは、瀟洒な音楽づくり。
そのようなフランソワの手によるドビュッシー演奏。ここには、多面的な素晴らしさが広がっているように思われます。
色彩的であり、生命力に溢れた精彩さを湛えている。決してこじんまりと纏めるような素振りを見せずに、壮麗でもある。例えば、≪子供の領分≫の最終曲の「ゴリウォーグのケークウォーク」では、豪放な演奏が展開されている。また、≪ベルガマスク組曲≫の第1曲目の「前奏曲」では壮麗にして絢爛たる音楽が鳴り響いている。
総じて、自在感に満ちた演奏が繰り広げられていると言えましょう。時に思索的な表情を見せたりもする。或いは、夢想的な表情を見せることも多い。
しかも、繊細さにも欠けていない。エレガントでもある。
そんなこんなによって、とても精妙な音楽世界が広がることとなっている。そのような様が、ドビュッシーに似つかわしい。
ドビュッシーのピアノ作品を聴く歓びを満喫することのできる、なんとも素敵な演奏であります。





