モントゥー&ボストン響によるダンディの≪フランスの山人の歌による交響曲≫を聴いて
モントゥー&ボストン響によるライヴ集から、ダンディの≪フランスの山人の歌による交響曲≫(1959年ライヴ)を聴いてみました。
ピアノ独奏はアンリオ=シュヴァイツァー。この録音の前年の1958年にアルベルト・シュヴァイツァーの甥と結婚し、アンリオ=シュヴァイツァーを名乗ることとなりました。ミュンシュ&ボストン響が同曲をセッション録音した際にも、彼女がピアノを担当しています。
なお、NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
モントゥーらしい、生命力に溢れた、逞しい演奏となっています。しかも、ただ単に豪壮に音楽を掻き鳴らしているだけではなく、フランス音楽としてのエレガントな側面も感じさせてくれる。
そのうえで、克明な演奏が繰り広げられている。屈託がなくて、生彩感に満ちていて、頗る明朗でもある。ライヴならではの、感興の豊かさを備えてもいる。
そして、暖かみや親しみ深さがある。この作品に相応しく、伸びやかさや晴れやかさに満ちている。スカッとした明るさを持っている。特に、人懐っこいメロディに彩られている終曲において、こういった性格が顕著に現れています。
アンリオによるピアノも、粒立ちが鮮やかで、かつ、暖かみのある演奏ぶりで、モントゥーの音楽づくりにピッタリ。
この作品の魅力を存分に味わうことのできる演奏。そして、晴れやかで、清々しい気分に浸ることのできる演奏。
実に見事な、そして、チャーミングな演奏であります。