ジュリーニ&ニュー・フィルハーモニア管によるブラームスの交響曲第4番を聴いて

ジュリーニ&ニュー・フィルハーモニア管によるブラームスの交響曲第4番(1968年録音)を聴いてみました。

これは、ジュリーニが40代後半から50代前半だった時期、1960年代にフィルハーモニア管と制作したブラームスの交響曲全集の、最後を飾る録音であります。尚、この作品のみが、1964年にニュー・フィルハーモニア管弦楽団と名称を変えて再出発した以降の録音となっております。

さて、ここでの演奏はと言いますと、おしなべて遅めのテンポが採られていて、ずっしりとした手応えを感じさせてくれるものとなっています。
とは言いましても、息苦しさはなく、むしろ、開放的で輝かしい。そして、情熱的でもある。歌心に溢れてもいる。その歌心は、時に切々としたものとなっている。或いは、時に哀愁に満ちたものとなっている。或いは、燦然たる輝きを見せることもある。
そんなこんなによって、決して暗鬱としたブラームスにはなっていないのであります。
そのような中にも、ブラームスらしい「うねり」がシッカリと表出されている。とてもロマンティックでもある。貫禄がありつつ、瑞々しさが感じられもする。
更に言えば、全編を通じて、逞しい生命力を秘めた演奏が展開されています。とりわけ、第1楽章の終結部では、頗る燃焼度が高くて、雄渾な音楽が鳴り響いている。

我が国でジュリーニが広く注目を集めるようになったのは、1970年代の中盤以降だと言えましょうが、それよりも10年ほど前のジュリーニも、充実度の高い演奏を行っていたことがハッキリと窺える音盤。そんなふうに言いたい。
実に立派で、聴き応え十分な、素晴らしい演奏であります。