ミュンヒンガー&ウィーン・フィルによるハイドンの≪軍隊≫と≪奇蹟≫を聴いて
ミュンヒンガー&ウィーン・フィルによるハイドンの≪軍隊≫と≪奇蹟≫(1961,57年録音)を聴いてみました。
キリッと引き締まっていつつ、優美で典雅な雰囲気に満ち満ちている演奏であります。
硬質でいて、しなやかで弾力性がある。ひんやりとしていそうで、暖かみがある。キッチリカッチリとしていながらも、親しみや微笑みに溢れている。
それらはまさに、ミュンヒンガーとウィーン・フィルの、それぞれの個性が融合された結果だと言えましょう。
そして何よりも、全編にわたって、格調高くて、頗る美しい音楽が鳴り響いているのが、実に素敵。
ミュンヒンガー&ウィーン・フィルは、今となってはほとんど注目されることのなくなったコンビだと言えそうですが、実に魅力的なコンビだったと思っています。例えばシューベルトでも、≪ロザムンデ≫の全曲盤をはじめとして、気品に満ちた演奏を音盤に刻んでくれている。
ここでのハイドンもまた、このコンビの素晴らしさを心行くまで味わわせてくれる、頗るチャーミングな演奏となっています。