ミュンヒンガー&ウィーン・フィルによるシューベルトの交響曲第2,3番を聴いて
ミュンヒンガー&ウィーン・フィルによるシューベルトの交響曲第2,3番(1959,65年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
輪郭線がキッチリとしていて、明晰な演奏が展開されています。
テンポは、概してやや速め(例外的に、第3番の第3楽章は遅めのテンポが採られています)。そのため、爽快感に満ちたものとなっている。推進力に富んでいて、覇気に溢れてもいる。曖昧な表現がなされておらず、音楽の手触りは硬質。全体的にキリっと引き締まっている音楽となっている。
(そういった傾向は、とりわけ、第2番において顕著であります。)
そんなこんなによって、凝縮度が高くて、かつ、剛毅な佇まいをした音楽が鳴り響いているのですが、その先から、シューベルトならではの優美な表情を感じ取ることもできる。しなやかさが備わってもいる。それもこれも、ウィーン・フィルに依るところが大きいと言えましょう。そう、ここでのミュンヒンガーによる音楽づくりにウィーン・フィルの柔らかくて艶やかな響きが加わることによって、誠にチャーミングな音楽が鳴り響くこととなっているのであります。とても典雅な音楽になってもいる。
ミュンヒンガー&ウィーン・フィルのコンビは、シューベルトの作品を数多く録音していて、交響曲の諸作以外にも、≪ロザムンデ≫全曲も録音しています。そのどれもが、とても魅力的な演奏となっている。
このコンビによるシューベルト、お薦めです。