ビシュコフ&パリ管によるプーランクの≪めじか≫全曲を聴いて

ビシュコフ&パリ管によるプーランクの≪めじか≫全曲(1991年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

骨太で生命力に満ち、かつ、色彩感溢れる演奏が繰り広げられています。前者はビシュコフの音楽づくりに依るところが大きく、後者はパリ管の特徴の表れであると言えるのではないでしょうか。
そう、エネルギッシュでドラマティックでありつつ、カラフルであり、エレガントな色合いを持っている演奏となっているのであります。
とても力強くて、逞しい演奏ぶりが示されている。それでいて、力だけで押し切るようなことはなく、重くなるようなこともなく、軽妙な音楽が鳴り響いている。艶やかであり、煌びやかでもある。身のこなしがしなやかでもある。そのうえで、プーランクらしい瀟洒な雰囲気も十分で、ウィットの効いた音楽が奏で上げられている。茶目っ気があって、粋でもある。
更に言えば、音楽がサラサラと流れてゆくようなことはなく、足取りのシッカリとした演奏ぶりでありつつも、流麗な音楽が奏で上げられている。
そんなこんなによって、聴き応え十分で、かつ、聴いていてウットリとしてくるとともに、心躍る音楽が届けられることとなっている。

ビシュコフ&パリ管というコンビの美質がギッシリと詰まっている、そして、プーランクを聴く歓びをタップリと味わうことのできる、見事な、そして、素敵な演奏であります。