マッケラス&セント・ルークス管によるヘンデルの≪水上の音楽≫全曲を聴いて
マッケラス&セント・ルークス管によるヘンデルの≪水上の音楽≫全曲(1991年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
マッケラスは、私が大きな信頼を寄せている指揮者の一人であります。
とにかく音楽センスが抜群。奏でる音楽は、常に生き生きとしています。逞しい生命力を宿している。精彩に富んでいて、快活で明朗でもある。しかも、しなやかで、伸びやかで、自然な音楽運びに特徴を持っている。そのうえで、誠実で真摯。演奏ぶりは折り目正しいものとなっている。そんなこんなによって、どれを聴いても、その作品の魅力をタップリと味わうことができる。
この≪水上の音楽≫もまた然り。それはもう、精彩に富んだ演奏ぶりであります。明快であり、率直であり、晴朗な音楽となっている。生き生きと弾けていて、実に伸びやか。力感に溢れていて、かつ、颯爽としてもいる。とは言え、全く大袈裟な音楽になっておらず、真摯で誠実な音楽づくりが為されている。典雅な雰囲気に包まれてもいる。
更に言えば、適度に壮健でもある。それ故に、この作品ならではの祭典的な雰囲気にも不足はない。気分が華やいでくる。
ああ、なんて素敵な作品なのだろう。
私の場合、マッケラスによる演奏を聴くと、殆ど全てにおいてそのような感慨に浸ることができるのですが、この≪水上の音楽≫でも、そう思わずにおれません。