ミンコフスキ&ルーヴル宮音楽隊によるラモーの管弦楽曲集を聴いて

ミンコフスキ&ルーヴル宮音楽隊によるラモーの管弦楽曲集(2003年録音)を聴いてみました。
サンフォニー・イマジネール(空想の管弦楽曲)と銘打たれた当盤は、ラモー(1683-1764)による11の舞台作品から17の管弦楽のみで演奏されるナンバーを選んで収録されたもの。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

生気に溢れ、躍動感に満ちた音楽が鳴り響いています。とりわけ、急速なテンポで書かれているナンバーにおいては。それはもう、生き生きと弾んでいて、音楽が示している表情は嬉々としたものとなっている。
その一方で、ゆったりとしたテンポで書かれているナンバーでも、音楽が弛緩するようなことは一切なく、キリっとした表情を湛えています。しなやかさを備えてもいる。
そんなこんなを含めて、目鼻立ちがクッキリとしていて、とても鮮烈な演奏になっていると言えましょう。しかも、エキセントリックな演奏ぶりとなるようなことはありません。むしろ、聴いていて爽快感を覚える演奏だと言えそう。愉悦感を湛えてもいる。或いは、最後に収められている≪優雅なインドの国々≫の「シャコンヌ」などでは、誠に勇壮な音楽が鳴り響くこととなっている。
そのうえで、全編を通じて、流麗でかつ典雅な音楽が奏で上げられています。更には、ここに収められている作品に相応しい、心躍る演奏が展開されていると言いたい。
また、オケの響きは、古楽器特有の鄙びた雰囲気を帯びていつつも、輝かしさの同居したものとなっていて、そのことが愉悦感をもたらしてくれる要因となっているようにも思えます。

音楽を聴く歓びを存分に味わうことのできる、なんとも素敵な音盤であります。