ケンペ&ベルリン・フィルによるR・シュトラウスの≪ドン・キホーテ≫を聴いて

ケンペ&ベルリン・フィルによるR・シュトラウスの≪ドン・キホーテ≫(1958年 録音)を聴いてみました。チェロ独奏はトルトゥリエ。

ケンペによるR・シュトラウスと言えば、1970年代にシュターツカペレ・ドレスデン(SKD)と録音した管弦楽曲全集があまりにも有名。SKDの美しい響きと、ケンペの誠実かつ的確な音楽づくりとが見事に調和した、格調高い素晴らしい演奏であり、私も愛してやまないR・シュトラウス集となっています。
その10年少々前にベルリン・フィルと録音した、この≪ドン・キホーテ≫も、聴き応え十分なものだと言いたい。
このベルリン・フィル盤は、SKDとの演奏に比べると、もう少し骨太なものになっていると言えばよいでしょうか。恰幅が良くて、押し出しの強さが感じられます。ダイナミックでもある。
それでいて、音楽づくりは誠実そのもの。大袈裟な表現は一切見受けられません。頗る率直でもある。それ故に、誇張が無くて、等身大の形でR・シュトラウスの世界が描かれていると言えそうな演奏となっているところがまた、いかにもケンペらしい。
トルトゥリエの雄弁かつ気品に満ちたチェロも、実に素晴らしい。ノーブルでありつつ、毅然としていて、凛々しくもある。

ケンペ、1960年前後にはベルリン・フィルとの共演でベートーヴェンやブラームス等々、結構多くの録音を残しております。
このコンビの演奏、多くの音楽愛好家に聴いてもらいたい。そのようなことを強く思わせる、充実感たっぷりの素敵な演奏であります。