ゴールウェイ&バウムガルトナー&ルツェルン音楽祭合奏団によるモーツァルトのフルート協奏曲第1,2番と≪アンダンテ≫K.315を聴いて
ゴールウェイ&バウムガルトナー&ルツェルン音楽祭合奏団によるモーツァルトのフルート協奏曲第1,2番と≪アンダンテ≫K.315(1974年録音)を聴いてみました。
ゴールウェイが、ベルリン・フィルの首席奏者を辞めた直後の録音になります。
ゴールウェイによる華麗でいて、軽やかな演奏ぶりが実に心地よい。
卓越した技巧を駆使しながら、颯爽とした音楽を奏で上げてくれています。しかも、曲想に応じたニュアンスの変化が細やか。音楽に暖かみや膨らみが感じられもする。
更に言えば、ここでのゴールウェイの音と音楽づくりは、華麗かつ軽妙でありつつも、その響きには太さが備わってもいる。そのために、過度に浮かれた音楽にはなっていません。
とは言うものの、なんとも洒脱な演奏となっている。そして、ギャラントな雰囲気に溢れている。爽快感に満ちてもいる。
そのようなゴールウェイをサポートするバウムガルトナーがまた、爽やかな音楽を奏で上げてくれています。肌触りが柔らかくて滑らか。音楽が伸びやかに息づいている。そして、誠実な音楽づくりが為されている。その演奏ぶりからは、品格が漂ってくるかのよう。
ゴールウェイによる独奏も、バウムガルトナーによるバックアップも、誠に見事。
精彩感に溢れていて、軽妙にして音楽が豊かに息づいていて、全体が生き生きと飛翔している、なんとも素晴らしい演奏であります。