カペル&ドラティ&ダラス響によるプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を聴いて

ウィリアム・カペル&ドラティ&ダラス響によるプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番(1949年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

カペル(1922-1953)は、将来を嘱望されながらも31歳の時に飛行機事故で命を落としたアメリカのピアニスト。
その演奏ぶりはと言いますと、キレのある技術を駆使しながら、率直かつ生命力溢れる音楽を奏でるところに特徴があったと言えるように思います。
そのことは、ここでのプロコフィエフにも当てはまりましょう。キレッキレな演奏ぶりで、実に鮮やかな音楽となっている。曖昧なところが一切なく、明晰な演奏が繰り広げられています。躍動感に満ちてもいる。
誠にヴィヴィッドな演奏。苛烈だとも言えそう。
そのうえで、ダイナミックかつエネルギッシュ。音楽の起伏が大きく採られていて、誠にスリリングな演奏が繰り広げられている。
しかも、音の粒がクッキリとしていて、響きは澄明。ホットにして、玲瓏な音楽が響き渡っています。
似たようなことが、ドラティの指揮ぶりについても当てはまります。目鼻立ちがクッキリとしていて、パキパキとした明快な音楽づくりがなされている。カペルとドラティ、誠に相性が良いように思えます。

ピアノも指揮も、唖然とさせられるほどに見事。いやはや、素晴らしい演奏であります。