ガッティ&フランス国立管によるストラヴィンスキーの≪ペトルーシュカ≫を聴いて

ガッティ&フランス国立管によるストラヴィンスキーの≪ペトルーシュカ≫(2011年録音)を聴いてみました。1947年版による演奏。
図書館で借りてきたCDでの鑑賞になります。

生気に満ちていて、かつ、キリリと引き締まっていてスッキリとしている演奏が展開されています。
なるほど、ストラヴィンスキーの作品に相応しい、力感に溢れた演奏となっています。色彩の鮮やかさも充分。切れ味の鋭さを備えていて、鮮烈で、エネルギッシュでダイナミックでもある。それでいて、必要以上に仰々しかったり、騒々しかったり、といったことはない。むしろ、端正な音楽が鳴り響いていると言いたい。洗練味を帯びてもいる。
色調が明るくて、とても瀟洒な演奏だとも言えましょう。そして、音の重心が高め。音の粒がクッキリとしていて、克明でもある。そのようなこともあって、機敏であり、軽妙な音楽が鳴り響いています。
そんなこんなの音楽づくりが、≪ペトルーシュカ≫にピッタリ。更には、ここでのガッティによる演奏ぶりは、3管編成に縮小されている1947年版が採用されていることが、大いに頷けるものになっていると言いたい。

作品の魅力を存分に味わうことができ、かつ、落ち着いた気分で聴くことができる演奏。
更に言えば、粋でもある。この辺りは、フランスのオケを指揮していることも大きいのではないでしょうか。
なんとも素敵な≪ペトルーシュカ≫であります。

なお、併録されている≪春の祭典≫もまた、同様の演奏ぶりだと言えましょう。適度に鮮烈で克明でありつつも、エレガントな雰囲気を湛えている。そう、十分にエキサイティングでありながら、とても瀟洒な≪春の祭典≫になっているのであります。
ユニークな魅力を持った≪春の祭典≫であります。