ペトリ&アカデミー室内アンサンブルによるヘンデルのリコーダーソナタ集を聴いて
ペトリがアカデミー室内アンサンブルと共演してのヘンデルのリコーダーソナタ集(1982年録音)を聴いてみました。
収録されている作品については、CDのバックインレイを撮影した写真も添付致しますので、お手数ですが、そちらをご参照ください。トータルの演奏時間は55分ほどになります。
ヘンデルの音楽が持っている、ナチュラルな歌心を備えている旋律の美しさと、ガッチリとした構成感とが融合された音楽世界を、伸びやかに、屈託なく、かつ、清冽に描き上げている演奏。そんなふうに言えるのではないでしょうか。
実に天真爛漫な演奏となっています。飛翔感や疾駆感が存分に備わって、なんとも小気味が良い。その一方で、歌うべきところはタップリと、そして、滑らかに歌い、抒情性が豊か。
更には、全編を通じて何とも言えない気品のようなものが感じられます。暖かみに溢れてもいる。そして、頗る率直な演奏となっている。
それらはまさに、ペトリの類まれな音楽性ゆえなのでありましょう。或いは、ペトリの人間性の表れだとも思える。
しかも、技巧的にも、非の打ち所がない。実に流暢で、闊達とした演奏となっています。
そんなこんなによって、安心して演奏に身を委ねることができる。
当盤には6曲のソナタが収録されているのですが、その最後に収められているニ短調のソナタ(HWV367a)では、≪水上の音楽≫を彷彿とさせる旋律が現れたりするのも、聴いていて楽しい。
いやはや、聴く者を幸せにしてくれる、素敵な素敵な演奏であります。