ビシュコフ&パリ管によるラフマニノフの交響曲第2番を聴いて
ビシュコフ&パリ管によるラフマニノフの交響曲第2番(1990年録音)を聴いてみました。
メロディアスな魅力に富んでいて、ロマンティックで、そして劇的な音楽でもある、この交響曲。大学オケに所属していた時分に演奏会で採り上げたということもあり、私にとっては、とても愛着の深い作品となっております。
また、結婚式のキャンドルサービスの場面では、この交響曲の第3楽章を披露宴会場に流したものでした。その際に使用した音源が、このCDになります。
骨太で逞しい音楽づくりを施しているビシュコフ。音楽が存分にうねっています。更に言えば、流麗でもある。この辺りの流動感の表出や推進力の強さを示すことは、この作品を演奏するに当たってとても大事なことだと言えましょう。それ故に、作品が備えている息遣いを充分に表現し尽している、素晴らしい演奏が繰り広げられている。
しかも、しなやかで、飛翔感に満ちている。明朗であり、目鼻立ちがクッキリとしている。輝かしくもある。そして、エネルギッシュでダイナミックな音楽が鳴り響いている。随所で、音楽を畳み掛けていって、頗る煽情的でもある。
そのうえで、この作品が備えているロマンティシズムや、センチメンタリズムや、更には、ドラマ性の大きさや、といったようなものもシッカリと表されている。土俗的なようでいて、洗練味を帯びた演奏となってもいる。
そのようなビシュコフの音楽づくりに加えて、パリ管の色彩感溢れる響きが添えられることによって、音楽はますます魅力的なものとなっています。甘美にして輝かしく、鮮烈なオーケストラ演奏になっているとも言いたい。
作品と、指揮者と、オーケストラのそれぞれの魅力が幸せな形で結びついている、素敵な演奏。そんなふうに言えるように思えます。