ボスコフスキー&ウィーン・モーツァルト合奏団による≪ポスト・ホルン≫を聴いて

ボスコフスキー&ウィーン・モーツァルト合奏団によるモーツァルトのセレナード全集から≪ポスト・ホルン≫(1973年録音)を聴いてみました。

このセットの名称は、便宜上『セレナード全集』となっていますが、モーツァルトが作曲したセレナード、ディヴェルティメント、カッサシオンなどの機会音楽のうち、管楽器のみで編成された作品を除いたものを収めよう、という意図で制作されています。例えば、≪音楽の冗談≫も、ここには収められている。
ここで指揮をしているのは、ウィーン・フィルのコンサートマスターであり、ニューイヤー・コンサートの指揮も執っていたボスコフスキー。そのボスコフスキーが、ウィーン・フィルの仲間と語らって、このモーツァルト集を録音するため編成されたのが、ウィーン・モーツァルト合奏団であります。

さて、ここでの演奏はと言いますと、なんとも優美なものとなっています。清々しくもある。
モーツァルトの音楽を愛する奏者たちが集まっての、ここでの演奏。暖かみがあって、ほのぼのとした朗らかさが漂っています。颯爽としていて、典雅でもある。ちょっぴりおっとりとした雰囲気があるとも言えそうですが、伸びやかでもある。更に言えば、セレナード作品に相応しい愉悦感に満ちています。
決して派手な演奏ではないのですが、適度に華やかでもある。そして、とてもエレガント。そんなこんなによって、とても格調の高い演奏になっていると言えましょう。
と言いつつも、肩肘を張って聴くような音楽では決してない。なんとも親しみやすい音楽が繰り広げられています。

モーツァルトの機会音楽に接する歓びを満喫することのできる、素敵な素敵な演奏であります。