ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンによるR・シュトラウスの≪ツァラトゥストラかく語りき≫を聴いて

ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデン(SKD)によるR・シュトラウスの≪ツァラトゥストラかく語りき≫(1987年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

堅実な音楽づくりをベースにしながらの、端正にして清潔感に満ちた演奏が繰り広げられています。そのような特徴はまさに、1970年代から80年代にかけてのブロムシュテット&SKDによる多くの演奏から窺えたもの。
そのうえで、過度に華美になるようなことはないものの、R・シュトラウスならではの絢爛で華麗な音楽世界が描かれてゆく。音楽は必要十分に躍動していて、生命力に満ちている。決して派手ではなく、目の眩むような華やかさもないが、格調の高い、玲瓏たる輝きが放たれている演奏となっている。
そのような印象は、ブロムシュテットによる音楽づくりもさることながら、SKDの気品に満ちた美音に依るところが大きいと言えましょう。

ブロムシュテット&SKDの美質がギッシリと詰まっている、素敵な素敵な≪ツァラトゥストラ≫であります。