ムーティ&シカゴ響によるブルックナーの交響曲第9番を聴いて

ムーティ&シカゴ響によるブルックナーの交響曲第9番(2016年録音)を聴いてみました。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

歌心に満ちた、流麗なブルックナー演奏となっています。
しかも、誠に雄渾な音楽が響き渡っています。どっしりと構えた音楽づくりとなっていて、音がむやみに拡散するようなことはない。華美になり過ぎることもない。豊麗でありつつも、凝縮度の高いが繰り広げられている。そして、逞しい生命力が漲っている。音楽が、実に豊かに息づいている。

熱気に溢れていて、エネルギッシュで、ドラマティック。しなやかで、滑らかでもある。そのうえで、輝かしくて、壮麗であり、かつ、充実度の頗る高い演奏が繰り広げられている。
そのようなムーティの音楽づくりに対して、シカゴ響が、精緻にして、パワフルな演奏ぶりでシッカリと応えてくれていて、そのことが、この演奏の充実度を一層高めてくれていると言えそう。

なるほど、ブルックナーらしくない演奏と言うべきなのかもしれません。しかしながら、私には、大いに共感のできる演奏となっていた。
ユニークな魅力を湛えている、素敵なブルックナー演奏であります。