ミュンシュ&フランス国立放送管によるビゼー集(交響曲 他)を聴いて

ミュンシュ&フランス国立放送管によるビゼー集(1966年録音)を聴いてみました。収められているのは、下記の3曲になります。
●交響曲
●≪子供の遊び≫組曲
●序曲≪祖国≫

お洒落で、粋で、かつ、劇的で熱気に満ちたミュンシュによるビゼー。骨太な音楽をベースにしながら、逞しい生命力の溢れている演奏が繰り広げられています。そこここで、熱い血潮が迸ってもいる。そのうえで、可憐で、芳しい音楽になっている。決して力づくな演奏にはなっておらずに、愛情豊かで人間味に溢れている。そして、とてもチャーミングな音楽が鳴り響いている。
交響曲では、推進力に満ちた演奏が繰り広げられていて、かつ、この作品に相応しい軽妙な味わいにも不足はない。急速楽章では、晴朗な音楽世界が広がっています。カラッとした明るさが感じられる。とても伸びやかでもある。その一方で、第2楽章では、哀愁に満ちた音楽が切々と奏で上げられてゆく。
5つのナンバーから成る≪子供の遊び≫では、曲想に合わせて、ときに歯切れよく、ときに抒情性タップリにと、入念にして表情豊かな演奏が展開されている。
そして≪祖国≫では、雄渾で、威風堂々とした音楽が鳴り響いている。

ミュンシュの魅力と、ビゼーの音楽の魅力の双方をタップリと味わうことのできる、素敵な演奏であります。