バルビローリ&ハレ管によるヴォーン=ウィリアムズの交響曲第2番≪ロンドン交響曲≫を聴いて

バルビローリ&ハレ管によるヴォーン=ウィリアムズの交響曲第2番≪ロンドン交響曲≫(1957年録音)を聴いてみました。パイ・レーベルに録音したもの。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

≪ロンドン交響曲≫と名付けられていますが、ロンドンの街が活写されている訳ではなく、作曲家自身は、≪ロンドンっ子による交響曲≫というのが適切な題名だったかもしれない、と述べています(Wikipediaによる)。
なお、最終楽章の終わり近くでは、ハープによってチャイムの音階が爪弾かれますが、作曲家はこの場面のことを「ウェストミンスターの鐘のようなロンドンの響き」と表現しているようです。

さて、ここでの演奏についてでありますが、バルビローリらしい、逞しい生命力を湛えたものとなっています。実に活き活きとした、そして、彫りの深い音楽が鳴り響いている。しかも、毅然としていて、折り目正しく、格調高くもある。
そのうえで、両端楽章では、精悍な演奏が繰り広げられている。また、第2楽章での切実なる歌や、第3楽章での歯切れが良くて軽妙でリズミカルな演奏ぶりなど、曲想を的確に捉えたものとなっています。最終楽章では、格調が高いものの、明朗な音楽が掻き鳴らされている。

この、親しみやすい交響曲の魅力をタップリと味わうことのできる、素敵な演奏であります。