ワイセンベルク&スクロヴァチェフスキ&パリ音楽院管によるショパンのピアノ協奏曲第2番を聴いて

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ワイセンベルク&スクロヴァチェフスキ&パリ音楽院管によるショパンのピアノ協奏曲第2番(1967年録音)を聴いてみました。

ワイセンベルク(1929-2012)が38歳のときの演奏。このピアニストらしい、豪壮なショパンとなっています。あまり、感傷的な音楽にはなっておらず、毅然としている。タッチは硬質であり、強靭でもある。
と言いつつも、単に力で押し切っている訳でもありません。頑健な音楽づくりの中にも、しなやかさが備わっている。そして、粘らない演奏ぶりの中から、清冽な歌が紡ぎ上げられてゆく。
そんなこんなによって、背筋の伸びた音楽が聞こえてくる。凛としていて、清々しくて、瑞々しくもある。しかも、充分過ぎるほどにダイナミックでもある。
そのようなワイセンベルクの音楽づくりに対して、スクロヴァチェフスキもまた、エネルギッシュにしてキリっとしたサポートぶりを示してくれています。ワイセンベルクとの相性は、抜群と言えましょう。そして、パリ管弦楽団に移行する直前のパリ音楽院管による馥郁とした響きがまた、実にチャーミング。

ワイセンベルクによるショパンのピアノ協奏曲、あまり話題に上ることはないように思えますが、指揮者とオーケストラの好演ぶりも含めて、独自の魅力を備えたものとなっています。
現行のCDでも、第1番と第2番とが1枚に収められています。多くの音楽愛好家に聴いてもらいたい、素敵な音盤であります。