ベルグルンド&ボーンマス響によるニールセンの交響曲第5番を聴いて

ベルグルンド&ボーンマス響によるニールセンの交響曲第5番(1975年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

ベルグルンド(1929-2012)は、フィンランドに生まれた指揮者。自国の作曲家でありますシベリウスの交響曲全集を3つ完成させ、そのいずれもが広く聴かれていると言えそうですが、デンマークの作曲家であるニールセンも得意にしていました。1980年代の後半に、デンマーク王立管とニールセンの交響曲全集を完成させています。当盤は、その全集の10年少々前に、当時の手兵でありましたボーンマス響を振っての録音。
デンマーク王立管との全集は、全6曲を何度か聴いていますが、当盤を聴くのは、初めてになると思います。

ここでの演奏はと言いますと、壮麗にして、逞しいものとなっています。誠に頑健であり、かつ、鮮烈でもある。
ドラマティックで、エネルギッシュで、気宇がとても大きい。しかも、頗る克明な演奏ぶり。豪壮だとも言いたい。それはもう、聴いていてスカッとした気分に浸ることのできる演奏となっている。
そのうえで、抒情味の豊かさが備わってもいる。

なんとも見事な演奏ぶりに、惚れ惚れしてしまいます。
これまでに同曲は、ブロムシュテット盤、N・ヤルヴィ盤、コンドラシン盤、バーンスタイン盤などを愛聴してきましたが、これらを上回る魅力を、当盤に感じた次第。
この作品の素晴らしさを、なんのわだかまりもなく味わうことのできる、破格の魅力を持っている演奏だと思います。