アンチェル&チェコ・フィルによるプロコフィエフの≪アレクサンドル・ネフスキー≫を聴いて

アンチェル&チェコ・フィルによるプロコフィエフの≪アレクサンドル・ネフスキー≫(1962年)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
鮮烈でいて、逞しい音楽が奏で上げられています。骨格のシッカリとした演奏ぶりでありつつ、筋肉質で、キリっと引き締まった演奏となっている。毅然としてもいる。しかも、とても彫琢が深い。
更に言えば、誠に真摯な演奏が展開されています。それ故に、真実味の強い音楽が鳴り響いている。
全編を通じて、エッジの効いた音楽づくりが施されていて、とてもクリア。そのような演奏ぶりによって、この作品に籠められている悲哀や、歓びや、激しい戦闘や、といった感情や情景が、明瞭な形で描写されてゆく。悲哀や、困難に立ち向かっている姿が描かれている場面では、戦慄ものの音楽が鳴り響いています。
そのうえで、活力の漲った演奏が繰り広げられている。とは言いましても、ただ単に力で押し切ろうとしてはおらず、かつ、大袈裟な表現が採られている訳でもなく、とてもストレートな音楽が奏で上げられている。媚びるような表情などは、これっぽっちも見いだせない。それでいて、壮宏にして、奥行き感のある音楽世界が描き上げられているとも言いたい。そんな、両面性を感じさせてくれる演奏となっているのであります。
アンチェルの、音楽への誠実さと、確かな手腕とを、ひしひしと感じ取ることのできる、なんとも見事な演奏であります。





