ベーム&ベルリン・フィルによるモーツァルトの≪ジュピター≫を聴いて

WBC日本代表、見事世界一に輝きました!!
ということで、何か祝祭的な音楽を採り上げようと思い、聴きましたのがモーツァルトの≪ジュピター≫。ベーム&ベルリン・フィルが制作したモーツァルトの交響曲全集の中の演奏(1961年録音)で聴いてみました。
この演奏は、ワルター&ニューヨーク・フィルと並んで、同曲でのマイベストの一つであります。

壮健にして壮麗な演奏となっています。ここに築かれている世界は、まさに≪ジュピター≫という呼び名に相応しい。
それはまるで、ギリシャの大建造物が聳え立っているかのよう。そのうえで、祝祭的な晴れやかさや煌びやかさを備えた、輝かしい演奏となっていいます。
と言いつつも、華美であったり、開放感に溢れていたり、という訳ではありません。むしろ、凝縮度が頗る高い。そして、緊密にして、厳格な演奏だとも言えそう。それはもう、キリリと引き締まっている、筋肉質なモーツァルト演奏であります。
更に言えば、律動感に溢れていて、かつ、逞しい。気宇が誠に大きくもある。

聴いていて、気分が昂揚し、気力が漲ってくる演奏。
充実感いっぱいで、惚れ惚れするほどに見事な演奏であります。