スウィトナー&シュターツカペレ・ドレスデンによるウェーバーの交響曲第1番を聴いて

スウィトナー&シュターツカペレ・ドレスデン(SKD)によるウェーバーの交響曲第1番(1972年録音)を聴いてみました。

オペラでの功績がクローズアップされることの多いと言えそうなウェーバー(1786-1826)ですが、生涯に2つの交響曲を書き上げています。2曲ともに、20代に入ってすぐに生み出された、青年期の作品。
その音楽はと言いますと、颯爽としたものとなっています。そして、とても可憐で、随所でお茶目な表情を見せてくれる。そのうえで、華やかな雰囲気を備えていて、ほんのりとした甘さを持ってもいる。緩徐楽章では、オペラの中の音楽を想起させるような、ちょっぴりドラマ性を帯びた音楽が展開されてゆく。
そんなこんなを含めて、とてもチャーミングな曲となっています。
そのような作品を、スウィトナー&SKDは、キリッとした音楽づくりをベースとしながら、真摯な態度で演奏してゆく。しかも、音楽全体が嬉々としながら弾んでいる。頗る明朗でもある。そして、しなやかな息遣いをしている。
更には、SKDの響きは、ここでも清潔感に溢れていて、とても美しい。

この作品の魅力を存分に味わうことのできる、実に魅力的な演奏だと言えましょう。
そのうえで、作品が持っているチャーミングな味わいも含めて、音楽を聴く歓びを満喫しながら幸福感を味わうことのできる、なんとも素敵な音盤となっています。