ウェルザー=メスト&クリーヴランド管によるプロコフィエフの交響曲第2番を聴いて

ウェルザー=メスト&クリーヴランド管によるプロコフィエフの交響曲第2番(2020年ライヴ)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

鮮烈な演奏となっています。とても明晰な音楽づくりが為されている。
そのようなこともあって、この作品に相応しい尖鋭な演奏ぶりが示されています。とは言いましても、攻撃的だということはない。それは、統制の効いている鋭さ、とでも形容できるようなものだと言いたい。
であるからこそ、力感に富んでいて、推進力に満ちていつつも、野放図な演奏にはなっていません。むしろ、頗る凛々しい音楽が鳴り響いている。折り目正しくもある。更には、第2楽章の前半部分においては、清らかな抒情味を湛えた音楽が奏で上げられている。
そんなこんなが、実に自然に為されているのであります。しかも、豊かな息遣いのもとで。であるが故にと言いましょうか、この作品の実像が、誇張のない形でクッキリと浮かび上がってくる演奏となっている。
そこには、クリーヴランド管の精緻なアンサンブルと、透明感のある響きも、大きく貢献していると言いたい。

鮮烈でありつつも、あまり刺激的ではなく、むしろ至純な美しさを湛えた演奏。そのような演奏を通じて、あまりメジャーとは言えない作品を、ジックリと聴き込むことのできる演奏になっているとも言えそう。
この作品に親しむのに好適な演奏として、広くお薦めしたい演奏であります。

<補足>
今年の5月から、沖澤のどかさん&京響によるプロコフィエフの交響曲ツィクルスが開始されます。(開催日は、5/3、7/18、11/28の3日)
その初回には、この第2番を含めて、第1番(古典)、第3番の3曲が採り上げられます。当盤は、第2番を「予習」するのに格好な1枚として、お薦めをしたいところであります。沖澤さんによるプロコフィエフも、きっと、当盤と似たような音楽づくり(明晰で生気を帯びていて、なおかつ、折り目正しいもの)になるのではないかと想像するだけに、尚更のこと、このW=メスト盤は予習に適しているように思えます。