カム&ラハティ響によるシベリウスの交響曲第3番を聴いて

カム&ラハティ響が2012年から2014年にかけて制作したシベリウスの交響曲全集から、第3番(2012,13年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
フィンランド生まれの指揮者と、フィンランドのオーケストラによるシベリウス演奏。なお、カム(1946-)は2011年から2016年にかけて、ラハティ響のシェフを務めています。
そんなコンビは、2015年の秋に来日し、東京オペラシティ・コンサートホール(タケミツ メモリアル)で、シベリウス生誕150年を記念しての交響曲全曲チクルスを開催しました。私は、その中での第2夜を聴いてきたのですが、そこで演奏されたのが交響曲の第3番と第4番、更にはヴァイオリン協奏曲の3曲でありました。
そこでの演奏からは、「お国ものの強み」といったものを、まざまざと感じさせられたものでした。そして、第3番での演奏に対して、次のように書いたものでした。
全曲を通じて雄渾な演奏であった。お茶目な音型で始まるこの曲は、あまりシベリウスらしくない曲と言えるかもしれない。実際、指揮者のカムも、プログラムでその点を言及している。そう、この曲は北国の作曲家による作品という雰囲気が薄いように思える。かなり体温の高い音楽なのである。
ところで、カムらによるこの日の演奏であるが、まさに「熱い」演奏であった。しかも、心から楽しんでおり、かつ、母国の偉大なる作曲家への敬愛の念のこもった演奏でもあった。例えばオケのメンバーであるが、全体に分厚いサウンドであったが、どこをどのように響かせれば作品が「喜んでくれる」のかを熟知した上で鳴らしている、といった感じ。そのオケを、堅固な構成感を持ってドライヴするカム。決して派手なことをやっているのではないが、ツボをしっかりと押さえた安定感抜群の指揮は、作品を掌中に収めているのがハッキリと聴いて取れた。
さて、この音盤に刻まれている演奏もまた、2015年の東京での体験を彷彿とさせるものだと言いたい。そう、雄渾で、熱気に溢れていて、かつ、堅固であり、安定感抜群なのであります。そして、母国の偉大なる作曲家への敬愛の念が端々で感じられる。
そのうえで、実に生き生きとした音楽が鳴り響いている。しかも、凛々しくて、格調の高い演奏が繰り広げられている。キリっとした表情を湛えてもいる。と言いつつも、とても人懐っこくて、暖かみのある音楽となっているのですが。
このコンビによるシベリウス演奏の魅力をタップリと味わうことのできる、なんとも素敵な音盤であります。





