ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツによるハイドンの≪ネルソン・ミサ≫を聴いて

ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツによるハイドンの≪ネルソン・ミサ≫(1997年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

清新な演奏が展開されています。手垢にまみれていない音楽が奏で上げられているとも言えそう。
しかも、大袈裟にならない範囲でドラマティックでもあります。音楽からシッカリとした鼓動が聞こえてくるような演奏となっている。快速なテンポによるナンバーでは、溌溂としていて、輝かしい音楽が鳴り響いている。そして、全体を通じて、ミサ曲に相応しい壮麗さが備わっている。
更には、実に真摯で、率直で、伸びやかで、晴れやかな演奏となっています。そして、明快でスッキリとした音楽づくりが為されている。そのようなこともあって、聴いていて誠に清々しい気分に浸ることができる。
なるほど、古楽器系の演奏家による演奏からよく窺えるアグレッシブな演奏ぶりとなっていますが、そこには誇張はなく、恣意的になるようなこともない。また、エキセントリックになるようなことも皆無。むしろ、円満な音楽になっていると言いたい。それ故にと言いましょうか、ハイドンならではの人懐っこさが滲み出ている演奏になっている。ある種の可憐さが感じられもする。

ハイドンのミサ曲の魅力がストレートに伝わってくる演奏。しかも、難しいことを考えずに、ス~っと作品の音楽世界に入り込むことができる演奏となっている。
なんとも素敵な演奏であります。