ベイヌム&コンセルトヘボウ管によるブラームスの交響曲第3番を聴いて

ベイヌム&コンセルトヘボウ管によるブラームスの交響曲第3番(1956年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

力感に溢れていつつ、古雅な雰囲気を持っている演奏となっています。
決して派手な音楽づくりではないものの、音楽が存分に躍動しています。熱気に溢れてもいる。そう、とても逞しい音楽が展開されている。情熱的であり、かつ、骨太でもある。そして、推進力に満ちている。
それでいて、決して力任せな演奏にはなっておらず、浮かれるようなこともなく、地に足の着いた演奏ぶりが示されています。情趣深くもある。しかも、ブラームスならではロマンティシズムにも不足は無い。特に、第3楽章では、この楽章に相応しいメランコリックな雰囲気が横溢している。
そこに加わる、コンセルトヘボウ管の充実感タップリで、馥郁としてもいる響きの素晴らしさは、いかばかりでありましょう。ケバケバしさは全く感じられないながらも、艶やかな音が響き渡っている。シッカリとした音圧のかかった底力のある音だとも言いたい。そのうえで、適度に豊麗でもある。

実直であり、かつ、生命力豊かな演奏。充実感がタップリ。そして、懐の深さのようなものが感じられる演奏となっている。
なんとも見事で、聴き応え十分な、魅力的な演奏であります。