マルティノン&パリ音楽院管によるアダンの≪ジゼル≫を聴いて

マルティノン&パリ音楽院管によるアダンの≪ジゼル≫(1958年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

フランス人作曲家のアダン(1803-1856)によって生み出され、1841年に初演されたバレエ音楽≪ジゼル≫は、作品そのものがロマンティックで瀟洒な音楽となっていますが、ここでの演奏がまた、実に小粋なものとなっています。なんともチャーミングで、愛らしくて、オシャレな音楽が鳴り響いている。
活気に溢れていて、溌剌としており、音楽があちらこちらで飛び跳ねている。この辺りは、バレエ音楽としての特性ゆえだと言えるのでしょうが、そういった性格が、巧まずして表されています。そのようなこともあり、聴いていて心が浮き立ってくる。しなやかで、伸びやかな音楽となってもいる。
しかも、艶やかで、色彩的な音楽が奏で上げられています。そして、力強さにも不足が無く、体幹のシッカリとした演奏が展開されている。それでいて、強引さは微塵も感じられず、奥ゆかしさのようなものが感じられる。必要以上に華美になるようなことはないものの、十分にロマンティックでもある。
そのうえで、パリ音楽院管の響きが、ここでも美麗にしてカラフルなものとなっていて、この演奏の魅力をより一層引き立ててくれています。

このバレエ音楽の魅力を、心置きなく味わうことのできる演奏。更に言えば、聴く者をウキウキとさせてくれ、かつ、幸福感でいっぱいにしてくれる、素敵な素敵な演奏であります。