ケルテス&イスラエル・フィルによるスメタナの≪売られた花嫁≫組曲と≪モルダウ≫を聴いて

ケルテス&イスラエル・フィルによるスメタナの≪売られた花嫁≫組曲と≪モルダウ≫(1962年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

ケルテスが33歳になる年に録音された演奏になりますが、活気に満ちた演奏が展開されています。実に潔くて、率直で、伸びやかな音楽が奏で上げられている。そのような演奏に接し、心が自然と浮き立ってくる。
≪売られた花嫁≫からは3つのナンバーが抜粋されていますが、序曲では、敏捷性の高い演奏が繰り広げられています。音楽が唸りを上げながら驀進している、といった体でもある。その結果として鳴り響いている音楽の鮮やかさに、眩暈がしそうなくらい。しかも、その演奏ぶりは、ケレン味の全くないものとなっている。
続く「ポルカ」では、生き生きとした表情の中に、素朴な性格が巧まざる形で表されている。また、最後に収められている「フリアント」では、活力に富んでいて、弾力性に満ちた演奏が繰り広げられていて、誠に華やかなものとなっている。そんなこんなが、実に見事なのであります。
一方の≪モルダウ≫では、冒頭から切実たる歌が披露されている。しかも、過剰に感傷的になるようなことはなく、スケールの大きさが窺える。音楽が滔々と流れているのであります。
更には、農夫たちの輪舞や、水の妖精たちによる舞いや、川の流れが次第に太く逞しくなってゆく様やが、感興豊かに、かつ、克明に描かれてゆく。
両曲での演奏に共通していること、それは、明快で立体的だということ。そして、若々しい躍動感に溢れていて、かつ、鮮烈な演奏ぶりが示されているということ。そのために、実に痛快な音楽が鳴り響くこととなっている。

若きケルテスによる、才気あふれる演奏。音楽がピチピチと弾けています。
いやはや、なんとも素敵な演奏であります。