ドラティ&コンセルトヘボウ管によるバルトークの≪管弦楽のための協奏曲≫を聴いて

ドラティ&コンセルトヘボウ管(RCO)によるバルトークの≪管弦楽のための協奏曲≫(1983年録音)を聴いてみました。

ドラティによる演奏の特徴は、切れ味の良さにあるように思います。粘らずに、カラリとした、そして、輪郭線がクリアで、明確な音楽づくりが為されることが多い。主情的になるようなことがなく、竹を割ったような演奏を繰り広げてゆく、とも言えそう。
そこへいきますと、ここでの演奏は、かなりウェットなものとなっているように思えます。と言いますか、奥行き感があり、コクの深さが感じられる。
なるほど、ここでもキレのある演奏ぶりが示されています。作品を克明に描き上げている。そして、精緻でもある。そういった性格は、この作品にはとても相応しい。
その一方で、芳醇な味わい、といったものが感じられるのであります。とことんシャープになるようなことはなく、まろやかさがある。この辺りは、RCOの体質に依るところが大きいのでしょうが。
そのうえで、充分にダイナミックな演奏が展開されています。音楽が穏当に響くようなことは、一切ないのであります。更には、表情が平板になるようなこともなく、彫琢の深い演奏ぶりが示されている。まろやかでありつつも、生気に富んでいて、クッキリとした音像を結んだ音楽が鳴り響いている。
そのようなドラティの音楽づくりに加えて、RCOの精緻なアンサンブルと、ソロの巧みさとが、この演奏を魅力あるものにしてくれています。しかも、それらからは、機械的な冷たさといったものが微塵も感じられない。

底光りするような魅力を備えている、なんとも素敵なオケコンであります。