メンゲルベルク&コンセルトヘボウ管によるブラームスの交響曲第4番を聴いて

メンゲルベルク&コンセルトヘボウ管によるブラームスの交響曲第4番(1938年録音)を聴いてみました。

メンゲルベルクにしては珍しく、と言いましょうか、あまり耽溺的な演奏にはなっておらず、端正な佇まいをした音楽が奏で上げられています。
それでも時おり、うねりを伴ったり、急にテンポを落としたり、艶めかしく歌いこんだり、といった濃厚な味付けが施されてゆく。すると、にわかにロマンティックな風情が漂ってくる。ポルタメントを掛けた際などは特に、その感を強くします。
更には、第1楽章のコーダにおいて顕著なように、急にスイッチが入ったかの如く、音楽を煽っていきながら、燃焼度の高い音楽を奏で上げたりもしている。
その辺りの音楽づくりも含めて、自在感に富んだ演奏が繰り広げられています。
とは言いましても、基本的には折り目正しい音楽が展開されている。造形的に崩れたところが殆どない。そして、概して、毅然とした表情を湛えている。
そのうえで、雄々しくもある。媚びを売るようなところが、ほぼ感じられない演奏だとも言いたい。

格調が高くて、それでいて、ロマンティックな表情を絶え間なく覗かせてゆく演奏。そのことによって、多彩な魅力を備えている演奏となっている。
奇妙な言い方になりますが、メンゲルベルクにしては「真っ当な」演奏ではあるものの、やはり、メンゲルベルクならではの演奏となっている。そして、そのことが、聴き手を魅了する力へと繋がってゆく。そんなふうに言えそうな演奏であります。