ハーン&パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマー・フィルによるモーツァルトの≪トルコ風≫を聴いて

ハーン&パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマー・フィルによるモーツァルトの≪トルコ風≫(2012年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

なんとも自在感に溢れた演奏が繰り広げられています。それは、ハーンによるヴァイオリンと、パーヴォによる指揮の双方に当てはまる。
それ故にと言いましょうか、音楽が喜びで飛び跳ねているようであります。敏捷性に満ちていて、躍動感に溢れていると言いたい。このことは特に、最終楽章の中間部に差し挟まれているトルコ風の音楽が鳴り響く場面において顕著であります。
そして、全編を通じて、フレッシュで清々しくもあります。粘り気を帯びるようなことは微塵もなく、颯爽と駆け抜けていく、といった音楽となっている。冴え冴えとしてもいる。
そのような性格をベースにしながら、モーツァルトに相応しい晴れやかで伸びやかな音楽が鳴り響いています。飛翔感に満ちていて、喜悦感に溢れている。
更に言えば、雑味のない音楽となっています。変に媚びるようなことが全く感じられない。そのようなこともあって、清潔感を帯びていて、ピュアな美しさを湛えた音楽が鳴り響くこととなっている。

この作品の魅力を存分に味わうことができる演奏。そして、ハーンとパーヴォの魅力を堪能することのできる演奏。そんな、素敵な素敵な演奏であります。