コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるベートーヴェンの交響曲第2番を聴いて

コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるベートーヴェンの交響曲全集から第2番(1959年録音)を聴いてみました。

キッチリカッチリとしていて、堅実であり、なおかつ、品格の高さが感じられる演奏となっています。優美だと言っても構わないかもしれない。
ベートーヴェンの作品につきまとう「猛々しさ」のようなものは、ここではあまり感じることができません。それよりも、キリリと引き締まった端正な表現に包まれた、瀟洒な音楽が鳴り響いている。鈍重な感じは一切無い。過度に速いテンポが採られているといったことはないものの、キビキビとしている。覇気に満ちてもいる。
そして、このコンビによる演奏からしばしば感じられる「無骨さ」もあまりない。なるほど、句読点がはっきりしていて、一言一句をないがしろにしていない演奏になっています。押し出しの強さが適度に感じられもする。その一方で、とっても洗練された演奏にもなっているのであります。しかも、その「洗練味」は、都会的な洗練ではなく、ちょっと鄙びた洗練味といったようなもの。そのうえで、響きや音楽のフォルムに、典雅な雰囲気が感じられる。
このような音楽づくりが採られているのは、初期の作品であるが故のことだとも思えます。この作品ならではの明快さや、可憐な性格や、といったものが引き立つこととなってもいる。

立派でありつつ、押しつけがましさの感じられない演奏。そのうえで、この作品の音楽世界に安心して浸ることのできる演奏となっている。
なんとも素敵な演奏であります。