五嶋みどりさん&マリス・ヤンソンス&ベルリン・フィルによるメンデルスゾーンとブルッフのヴァイオリン協奏曲を聴いて
五嶋みどりさん&マリス・ヤンソンス&ベルリン・フィルによるメンデルスゾーンとブルッフのヴァイオリン協奏曲(後者は第1番)を聴いてみました。2003,02年のライヴ録音。
図書館で借りたCDでの鑑賞になります。
MIDORIさんらしい、極めて集中力の高い演奏が繰り広げられています。緊張度の高い演奏となっている。とても没入的でもある。そのような演奏ぶりからは、「求道者による音楽」といった雰囲気すら漂ってくる。
研ぎ澄まされた感性に裏付けられた、曖昧さの全く無い演奏。しかも、頗る厳粛でもある。この種の演奏では、時に近寄りがたくて、息苦しさを感じさせられることもありますが、MIDORIさんによるここでの演奏には、それはありません。誠にしなやかで滑らか。艶やかで、甘美でもある。そのような、感覚に訴えてくるような性格を備えてもいる。
タイプとしましては、内田光子さんと似たところがあるように思えます。この2人、まさに日本の誇りだと言えましょう。
再び、ここでの演奏に立ち返ってみるに、両曲に相応しいロマンティシズムを湛えたものとなっています。とは言いましても、主情に流されるようなことはない。ピンと張り詰めた空気が漂っている。そして、凛としている。
そのような中で、メンデルスゾーンでの第2楽章での荘重な雰囲気を湛えた演奏ぶりや最終楽章での律動感溢れる演奏ぶり、更には、ブルッフでの気魄の漲った音楽づくりをベースにしながら繊細にして抒情性に溢れた表情を見せてくれるなど、表現の幅の広さを示してくれてもいる。
そのようなMIDORIさんの演奏ぶりに対して、M・ヤンソンス&ベルリン・フィルのコンビも、まろやかな音楽を奏で上げてゆくことで応えてくれている。適度に艶やかであり、かつ、荘重でもある。
これは、MIDORIさんの魅力が凝縮されているメンデルスゾーンであり、ブルッフであると言えましょう。
なんとも見事な、そして、魅力的な演奏であります。