ブーレーズ&ウィーン・フィルによるシマノフスキの交響曲第3番≪夜の歌≫を聴いて

ブーレーズ&ウィーン・フィルによるシマノフスキの交響曲第3番≪夜の歌≫(2010年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

シマノフスキ(1882-1937)は、ポーランド生まれの作曲家。生涯に4曲の交響曲を書いていますが、この第3番が、最も多くの演奏機会に恵まれていると言えましょう。
さて、ここでの演奏でありますが、クリアな音楽づくりであり、かつ、壮麗な音楽世界が築かれたものとなっています。全体的に、明澄な演奏だとも言えましょう。
克明で、エッジの効いた演奏となっている。この辺りは、ブーレーズならではだと思えます。そこに加えて、1990年以降のブーレーズの演奏に顕著な、まろやかさを備えている。
更に言えば、ダイナミックであり、感興の豊かな音楽が鳴り響いている。音楽が適度にうねっていて、官能的でもある。
しかも、誠に精妙。色彩感に溢れてもいます。
そのうえで、存分に艶やかでもある。夢幻的でもある。この辺りは、ウィーン・フィルによる貢献も大きいのではないでしょうか。

この作品の魅力を存分に味わうことのできる、素敵な演奏であります。