マゼール&ベルリン・フィルによるラフマニノフの≪交響的舞曲≫を聴いて

マゼール&ベルリン・フィルによるラフマニノフの≪交響的舞曲≫(1983年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

精妙、かつ、雄大な演奏となっています。この作品が備えている力感にも不足はない。
例えば、ラトル&ベルリン・フィルによる演奏では、もっとシャープで鮮烈で、反射神経が鋭くて、スリリングなものとなっています。もっと言えば、アクロバティックな演奏となっていた。それと比べますと、多少なりとも穏健な演奏であると言えるかもしれません。
(ラトル&ベルリン・フィル盤、実に見事な演奏であると思っています。)
しかしながら、それは、ラトル盤と比較しての話し。ここでのマゼールの演奏も、充分に鮮やかで艶やかなものとなっています。起伏の大きなものとなっている。この作品ならではの運動性に申し分はない。生彩に富んでもいる。
しかもそれらが、ケレン味なく表出されています。そのために、この作品の魅力をタップリと味わうことができ、かつ、安心して、その音楽世界に身を浸すことのできる演奏となっている。
更には、ベルリン・フィルの合奏力の高さや、厚みと艶やかさを備えた充実した響きを堪能することができるのも、この演奏の大きな魅力となっている。

聴き応え十分で、頗る立派な、そして、とても素敵な演奏であります。