ロウヴァリ&エーテボリ響によるシベリウスの交響曲第5番を聴いて

ロウヴァリ&エーテボリ響によるシベリウスの交響曲第5番(2018年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

先日、ムラヴィンスキーによるショスタコーヴィチの交響曲第15番を採り上げた際に、所属していた大学オケの先輩から、ロウヴァリの名前が出ました。ロウヴァリ&コンセルトヘボウ管によるショスタコーヴィチの15番もまた素晴らしいと、紹介されたのであります。
ロウヴァリという指揮者、名前も知りませんでした。調べてみますと、1985年のフィンランド生まれで、2021年からフィルハーモニア管弦楽団のシェフを務めているとのこと。2012年に東京交響楽団を指揮して、日本デビューを果たしているようです。
NMLを検索すると、コンセルトヘボウ管とのショスタコーヴィチは見当たらなかったのですが、プロコフィエフや、ストラヴィンスキーや、R・シュトラウスや、その他諸々の作曲家による作品の音源が表示されてきました。その中で、最も多かったのがシベリウスの作品。ロウヴァリにとって自国の作曲家、ということになります。
そこで、こちらを聴いてみたのでした。なお、ここで指揮しているエーテボリ響もまた、2017年からロウヴァリがシェフを努めている手兵のオケとなります。

なんとも生命力の豊かな演奏が繰り広げられています。
終始一貫して、生彩感に満ちた音楽が鳴り響いています。そう、実に鮮烈な演奏となっているのであります。それでいて、鋭利に過ぎるようなことは全くない。むしろ、ふくよかさが感じられてくる。そして、骨太な音楽づくりを基調にしていると言いたい。
そのような演奏ぶりによって、頗る流麗であって、しかも、逞しさに満ちた音楽が奏で上げられることとなっています。押し出しの強さが備わってもいる。頗る輝かしくもある。更に言えば、浮ついたところが全く感じられず、芯のシッカリとした演奏が展開されている。

ロウヴァリ、素晴らしい指揮者ですね。
これから大いに注目していきたいと思います。