ラベック姉妹&小澤さん&ボストン響によるプーランクの2台のピアノのための協奏曲を聴いて

ラベック姉妹&小澤さん&ボストン響によるプーランクの2台のピアノのための協奏曲(1989年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

鋭利であり、かつ、敏捷性の高い演奏となっています。明快であり、鮮烈でもある。
そんなこんなによって、なんとも痛快な演奏が展開されている。
それでいて、決して乱暴な音楽に聞こえない。むしろ、折り目正しさが感じられます。端正にして、精妙で、冴え冴えとしてもいる。そして、彩り鮮やかな音楽となっている。
このような印象を抱くのも、ラベック姉妹の研ぎ澄まされた感性と、切れのあるテクニックと、そこに小澤さんの端正な音楽づくりへの志向が融合された結果なのだ、と言えるように思えます。
そのうえで、プーランクならではの、茶目っ気もシッカリと感じられる。ウィットの備わっている演奏となってもいる。悪戯っぽくありつつも、敬虔な雰囲気を湛えた音楽が鳴り響いてもいる。とてもオシャレでもあり、優美でもある。モーツァルトの音楽を思わせる第2楽章では、可憐で清澄な音楽となっている。

スリリングかつエレガントな雰囲気を湛えている、なんとも見事な演奏。
この作品の魅力を存分に味わうことのできる、素晴らし演奏であります。